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相続税がかかるかの目安、基礎控除と路線価の見方

実家を相続したとき相続税がかかるかを、基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)、路線価による土地の評価、固定資産税評価額による建物の評価の順に確かめる手順と、国税庁の申告要否判定コーナーの使い方を説明します。

最初に見る数字

相続税がかかるかどうかは、「相続財産の合計が基礎控除を超えるか」で決まります。基礎控除は次の式です。

基礎控除 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

配偶者と子2人なら法定相続人は3人で、基礎控除は4,800万円です。子1人だけなら3,600万円です。養子は、実子がいれば1人まで、実子がいなければ2人まで法定相続人の数に入れられます。相続放棄をした人も、この人数には含めます。

財産の合計がこの額以下なら、相続税はかからず、申告も原則不要です。超える場合は、超えた部分に10%から55%の税率で課税されます。申告と納税の期限は、相続開始を知った日の翌日から10か月以内です。

実家の評価の考え方

財産の合計を出すには、実家の土地と建物を相続税の評価額に直す必要があります。売ったらいくらか、ではなく、国税庁が定めた方法で計算した額です。

土地は、路線価方式か倍率方式で評価します。路線価が定められている地域(市街地の大半)では、面している道路の路線価(1㎡あたりの価額)に面積を掛け、奥行や形状による補正をします。路線価は毎年7月に国税庁が公表し、地価公示価格の80%の水準で定められています。路線価20万円の道路に面した150㎡の土地なら、補正前で3,000万円です。

路線価がない地域では、固定資産税評価額に地域ごとの倍率を掛けます。倍率は路線価と同じ財産評価基準書に載っています。

建物は、固定資産税評価額がそのまま相続税評価額です。毎年届く固定資産税の課税明細書に書かれています。築40年の木造なら、数十万円から数百万円のことが多いです。

実家が親の住んでいた家で、配偶者か同居の親族が相続する場合は、小規模宅地等の特例で330㎡までの土地の評価額を80%減らせます。この特例は申告が要件なので、使って基礎控除以下になる場合も申告が必要です。要件は小規模宅地等の特例で確認してください。

実家以外の財産

実家だけで基礎控除を超えるかを見ても、判定は終わりません。預貯金、株式、生命保険金(非課税枠を超える部分)、亡くなる前の一定期間の贈与も合計に入ります。逆に、借入金や葬式費用は引けます。

実家の評価額が2,000万円、預貯金が2,500万円、法定相続人が2人(基礎控除4,200万円)なら、合計4,500万円で300万円超えます。この場合、小規模宅地等の特例が使えれば実家の評価が400万円になり、合計2,900万円で基礎控除以下になります。ただし申告は必要です。

申告要否判定コーナーの使い方

国税庁のサイトに「相続税の申告要否判定コーナー」があります。法定相続人の数と財産の額を入れると、申告が必要かどうかの目安と、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減を使った場合の税額の試算が出ます。

使う順番は次のとおりです。

  1. 法定相続人の数を入れる。基礎控除額が自動で出ます
  2. 土地の評価額を入れる。路線価図で調べた路線価と面積から計算した額を入れます
  3. 建物の固定資産税評価額、預貯金、株式、保険金、債務、葬式費用を入れる
  4. 判定結果を見る。「申告が必要と見込まれる」なら、特例の試算画面に進めます
  5. 入力内容を「相続税の申告要否検討表」として印刷して保存する

このコーナーの結果はあくまで目安で、申告書は作れません。判定が基礎控除ぎりぎりの場合や、土地の形が複雑で補正が必要な場合は、税理士に評価を依頼してください。土地の評価は、不整形地や間口が狭い土地で減額の余地があり、自分で計算した額より下がることがあります。

相続税と売却の関係

相続税がかかる場合、実家を売って納税資金にすることがあります。相続税の申告期限の翌日から3年以内に売れば、払った相続税の一部を取得費に加えられる取得費加算の特例が使えます。仕組みは取得費加算の特例に書きました。

配偶者が相続する分は、1億6,000万円か法定相続分のどちらか多い額まで相続税がかかりません。ただし、配偶者に寄せすぎると、次に配偶者が亡くなったとき(二次相続)の税額が増えます。実家をどちらが相続するかは、二次相続まで含めて考える必要があります。

実家の評価額の概算は小規模宅地の特例シミュレーターで、売った場合の手取りは売却手取りシミュレーターで出せます。

計算に使えるツール

出典

最終更新: 2026-10-24