小規模宅地等の特例 適用判定と評価減の概算
実家の土地を相続したとき、小規模宅地等の特例で評価額がどれだけ下がるかを知りたい方へ。自分が要件に当てはまるかを先に確かめられます。
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宅地の種類と評価額
路線価は国税庁の「路線価図・評価倍率表」で調べます。道路に書かれた「150D」のような数字が1㎡あたりの千円単位の価額です(奥行きや形による補正は省いています)。路線価のない地域は固定資産税評価額 × 倍率を「直接入力」に入れてください。
この宅地を取得する人
要件
要件
概算です。相続税額はこのツールでは計算しません。財産全体で申告が必要かどうかは国税庁 相続税の申告要否判定コーナーで確認できます。特例の適用は申告が前提で、要件の細部は税務署や税理士にご確認ください。
使い方
- 宅地が相続開始の直前にどう使われていたか(住まい・事業・貸付)を選び、面積を入れます。
- 評価額は、路線価図の数字(千円/㎡)を入れると面積を掛けて計算します。倍率地域や、税理士の評価がある場合は「直接入力」に切り替えてください。
- 住まいの敷地なら、取得する人が配偶者・同居親族・別居親族のどれかを選び、表示される要件にチェックを入れます。配偶者は取得者の要件がありません。
- 判定と、評価減の額・適用後の評価額が出ます。要件を満たさないときは、その理由を表示します。
判定と計算の決まり
| 項目 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 特定居住用宅地等 | 330㎡まで 80%減。配偶者: 要件なし。同居親族: 相続開始直前から申告期限まで居住を続け、宅地を保有。別居親族(家なき子): 被相続人に配偶者がいない、同居の相続人がいない、相続前3年以内に自分・配偶者・3親等内の親族・特別関係法人の所有する家に住んでいない、相続開始時に住む家を過去に所有していない、申告期限まで保有 | 国税庁 No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例 |
| 特定事業用宅地等 | 400㎡まで 80%減。事業を引き継いで申告期限まで営み、宅地を保有。相続前3年以内に始めた事業の土地は原則対象外(一定規模以上を除く)。不動産貸付業・駐車場業は貸付事業用として扱う | 同上 |
| 貸付事業用宅地等 | 200㎡まで 50%減。貸付を引き継いで申告期限まで続け、宅地を保有。相続前3年以内に貸し始めた土地は原則対象外(3年超の事業的規模の貸付を除く) | 同上 |
| 併用の限度 | 居住用330㎡と事業用400㎡は合計730㎡まで併用可。貸付事業用を含む場合は「事業用 × 200/400 + 居住用 × 200/330 + 貸付用 ≦ 200㎡」で調整 | 同上 |
| 評価減の額 | 評価額 × (限度面積までの面積 ÷ 全体の面積) × 減額割合 | 同上 |
| 路線価方式 | 路線価(千円/㎡) × 面積。実際は奥行価格補正率などで補正する | No.4602 土地家屋の評価、路線価図・評価倍率表 |
| 基礎控除(参考) | 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数 | No.4152 相続税の計算 |
上記は令和8年4月1日現在の法令に基づく国税庁の記載を確認したものです(2026年10月時点)。
こんな時に
- 母が一人で住んでいた実家を、持ち家のない子が相続する。家なき子の要件に当てはまるか確かめたい。
- 兄が同居、弟が別居。どちらが土地を相続すれば特例が使えるかを遺産分割の前に知りたい。
- 実家の土地が400㎡ある。330㎡を超えた部分は減額されないと聞き、評価額がいくらになるか見たい。
- 路線価を調べて概算の評価額を出し、相続税の申告が必要かどうかの目安にしたい。
注意
このツールは土地の評価減だけを概算します。建物、預金、生命保険などを含めた財産全体で申告の要否が決まるので、国税庁の申告要否判定コーナーで確認してください。特例は申告期限(相続開始を知った日の翌日から10か月)までの申告が前提で、遺産分割が済んでいない宅地には使えません。老人ホームに入所していた場合や二世帯住宅、配偶者居住権がある場合は判定が複雑になるため、税務署や税理士にご確認ください。
よくある質問
路線価はどこで調べられますか?
国税庁の「路線価図・評価倍率表」のサイトで、都道府県から住所をたどって地図を開きます。道路に書かれた数字が1㎡あたりの価額(千円単位)で、「300D」なら30万円/㎡です。路線価が付いていない地域は倍率方式で、固定資産税評価額に評価倍率表の倍率を掛けます。毎年7月に、その年の1月1日時点の路線価が公表されます。相続のあった年の路線価を使います。
親と同じ敷地の別棟に住んでいました。同居になりますか?
原則として同居にはなりません。同居親族の要件は「被相続人の居住の用に供されていた一棟の建物」に住んでいたことで、別棟は別の建物です。ただし、二世帯住宅で建物が区分所有登記されていなければ、玄関が別でも一棟の建物として同居と扱われます。区分所有登記がある二世帯住宅は、親の居住部分に対応する土地だけが対象です。
家なき子の特例とは何ですか?
被相続人に配偶者も同居の相続人もおらず、別居の親族が実家の土地を相続した場合に、その親族が相続前3年以内に自分や配偶者などが所有する家に住んでいなかったこと(持ち家がないこと)などを条件に特定居住用宅地等として認める仕組みです。平成30年の改正で、相続前に自分の家を親族や会社に移して「家なき子」になる方法は使えなくなりました。相続開始時に住んでいる家を過去に所有したことがある人も対象外です。
特例を使うと相続税がかからなくなる場合でも申告は必要ですか?
必要です。小規模宅地等の特例は申告して初めて使えるもので、特例を使った結果、課税価格が基礎控除以下になる場合でも、申告期限(相続開始から10か月)までに申告書と遺産分割協議書などを提出します。申告期限までに分割が決まらないときは「申告期限後3年以内の分割見込書」を出して、分割後に更正の請求で適用します。