相続した家の売却手取り計算
親から相続した家を売るとき、税金を引いた手取りがいくらになるか知りたい方へ。空き家の特別控除が使えるかどうかも、要件を一つずつ確認できます。
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所有期間は相続した日ではなく、被相続人(亡くなった方)が取得した日から数えます。取得日が分からないときは、登記事項証明書の所有権移転の日付や、建築年を目安にしてください。
取得費(被相続人が買ったときの価格)
譲渡費用
特例
当てはまるものにチェックを入れてください。期限(相続から3年目の年末、令和9年12月31日)と売却代金1億円以下は、入力した年月と価格から自動で判定します。
相続税の申告書(第1表・第11表)から転記します。加算できる額は「納めた相続税額 × この不動産の相続税評価額 ÷ 課税価格」です。
概算です。実際の税額は確定申告で確定します。他の所得や特例の細かい要件で変わるため、税務署や税理士にご確認ください。
使い方
- 売却価格と、売却・相続開始・被相続人が家を取得した年月を入れます。所有期間は被相続人の取得日から数え、売った年の1月1日時点で5年超かどうかを判定します。
- 被相続人が買ったときの土地・建物の価格と諸費用を入れます。建物は構造を選ぶと経過年数分の減価償却を引きます。分からなければ「取得費が分からない」にチェックを入れると売却価格の5%で計算します。
- 仲介手数料と印紙税は自動計算です。解体や測量、残置物の処分の費用は「その他の譲渡費用」に入れます。
- 空き家の3,000万円特別控除を使うなら、要件のチェック欄に当てはまるものを入れます。満たさない要件があれば、その理由を内訳に表示し、控除なしで計算します。
- 相続税を納めた方は「取得費加算の特例」に切り替えて、相続税額・評価額・課税価格を入れると加算額を計算します。
計算の決まり
| 項目 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 取得費・取得日の引き継ぎ | 相続で取得した家は、被相続人の購入価格と取得日をそのまま引き継ぐ。相続人が払った登記費用・不動産取得税も取得費に含められる(概算取得費を使う場合は含められない) | 国税庁 No.3270 相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期 |
| 取得費が不明 | 売却価格の5%を取得費にできる | No.3258 取得費が分からないとき |
| 建物の減価償却(非業務用) | 取得価額 × 0.9 × 償却率 × 経過年数(6か月以上は1年に切り上げ)。上限は取得価額の95%。木造 0.031、木骨モルタル 0.034、軽量鉄骨 3mm以下 0.036、3mm超4mm以下 0.025、鉄筋コンクリート 0.015。鉄骨 4mm超の 0.020 は耐用年数51年からの換算で、タックスアンサーの表には載っていないため要確認 | No.3261 建物の取得費の計算 |
| 短期譲渡(5年以下) | 所得税 30% + 住民税 9%(復興特別所得税を含め 39.63%) | No.3211 短期譲渡所得の税額 |
| 長期譲渡(5年超) | 所得税 15% + 住民税 5%(同 20.315%) | No.3208 長期譲渡所得の税額 |
| 相続した空き家の特別控除 | 昭和56年5月31日以前の建築、区分所有でない、相続開始直前に被相続人が一人暮らし、相続後に貸したり住んだりしていない、売却時に耐震基準を満たすか取壊し(令和6年1月1日以後の譲渡は、買主が翌年2月15日までに行うものも可)、売却代金1億円以下、相続開始から3年目の年末まで、令和9年(2027年)12月31日までの譲渡。控除は3,000万円、相続人3人以上は2,000万円。取得費加算の特例とは併用できない | No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例、No.3307 老人ホーム等に入所していた場合 |
| 取得費加算の特例 | 相続税の申告期限(相続開始から10か月)の翌日以後3年以内の売却が対象。加算額 = 納めた相続税額 × 売った不動産の相続税評価額 ÷ その人の課税価格。譲渡益が上限 | No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例 |
| 復興特別所得税 | 所得税額 × 2.1%(令和19年分まで。令和9年分以後は防衛特別所得税と合わせて同率) | No.2260 所得税の税率 |
| 端数処理 | 課税譲渡所得は1,000円未満切り捨て、所得税・住民税は100円未満切り捨て | 国税通則法119条 |
空き家の特別控除の適用期限は令和9年12月31日です(2026年10月時点)。期限後の延長は決まっていません。
こんな時に
- 実家を相続して1年。空き家のまま売るか、取り壊してから売るかで、手取りがどう変わるか見たい。
- 親が家を買った価格が分からず、5%の概算取得費で計算したときの税額を知っておきたい。
- 兄弟3人で共有相続した家を売るので、控除が2,000万円になったときの税額を確認したい。
- 相続税を納めたので、取得費加算と空き家の控除のどちらが有利か比べたい。
注意
空き家の特別控除は、税額がゼロになる場合でも確定申告が必要です。1億円の判定は、相続人全員の売却分を合計し、特例を使った売却から3年目の年末までの分を含めて行います。売却の翌年の2月16日〜3月15日に申告します。家を売る前の維持費は空き家の維持費シミュレーション、取り壊す場合の費用は解体費用の目安計算で確認できます。
よくある質問
親がいくらで買ったか分からないときはどうなりますか?
取得費が分からないときは売却価格の5%を取得費にできます(概算取得費)。ただし売却価格の95%が利益とみなされるので、税額は大きくなります。相続した家の取得費は親が買ったときの価格を引き継ぐため、当時の売買契約書、住宅ローンの金銭消費貸借契約書、通帳の記録、分譲時のパンフレットなどが見つかれば、その額を使えます。書類を探す価値は十分あります。
空き家の3,000万円控除と取得費加算の特例は両方使えますか?
同じ家の売却で両方を使うことはできません。どちらか有利な方を選びます。相続税を納めていなければ取得費加算は使えないので、空き家の特例の要件を満たすかどうかが先の確認事項です。このツールでは特例を切り替えて、税額を比べられます。
相続してから所有期間は数え直しですか?
いいえ。相続で取得した家は、被相続人(亡くなった方)が取得した日を引き継ぎます。親が20年前に買った家なら、相続の翌年に売っても長期譲渡(税率20.315%)です。判定は売った年の1月1日時点で行います。
兄弟3人で相続した家を売ると、控除はどうなりますか?
令和6年1月1日以後の売却から、相続した人が3人以上の場合は一人あたりの控除が2,000万円になります(2人までは3,000万円)。控除は売った人ごとに使えるので、3人で共有して売れば合計6,000万円まで控除できます。売却代金1億円の判定は、相続人全員の売却分を合計して行います。